「給付金を電子マネーで」と語る経済団体のトップとは

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同時に、タイムリーに配布することと、消費に活用されることが重要だとして、「電子マネーでの給付が望ましい」との考えを示した。現金給付ならば、貯蓄に回る可能性もあるが、電子マネーなら「消費力を維持するのにつながる」と強調した。

よもや「ぼくがかんがえたさいきょうのせいさく」を大の大人が、しかも経済団体のトップが堂々とのたまうとは。頭痛がしてきたとしかいいようがない。「給付金を電子マネーでとか頭悪いんじゃないの?」という解説をぐっとこらえたのはいうまでもない。業者への支払とかどうするねん。第一、どこの電子マネーに充当するというのか。流動性の高い現金が一番。電子マネーにするということは、支払い対象を制限するってことだからね。

まぁ、複数の人が指摘しているけど、日銀が電子マネーを作って(例えば日銀payとか)そこにぶち込むというのなら話は別だけど、今から作るとなれば年単位で時間がかかるし、第一通貨発行との兼ね合わせとか色々と問題が生じてくる。それに120%民業圧迫とか言われる。


どこか一か所の電子マネーに限定するとしても上限は限られる。大体は2~5万。10万をぶちこめるのは今のところPayPayとマジカ。ただ、使える場所は限られるし、一部の業者に多大な利益を与えてしまうことになる。一律給付の意味が無い。

金融広報中央委員会の「知るぽると」の最新調査結果(2019年)によれば、公共料金などの定期的な資金決済手段として単身世帯/二人以上世帯では、


現金...32.0%/30.3%
口座振替...47.6%/73.3%
クレジットカード...54.8%/36.8%
電子マネーなど...7.6%/1.6%

となっています。2009年の定額給付金は景況感の牽引という点滴のような役割でしたが、今回の給付金は直近の支払いなどに窮する状況への対処という応急手当的な意味合いが強い以上、電子マネーで消費云々との解釈は筋違いです。例えば家賃は電子マネーでは難しいかと。

加え、電子マネーの現在の規格数や個人の保有種類を考えれば、どこに充当させるかで問題は山積でしょう。第一、現状での電子マネーのチャージ上限は大抵の種類で2万円か5万円です。消費を狙うならむしろ時期に合わせチャージ特典(1割上乗せとか)を行う方がよろしいかと。


消費を促すのなら、電子マネーのチャージキャンペーンとか称して、現金からチャージした時に上乗せするキャンペーンをすればいいまでの話なんだよね。ここぞとばかりに美味しい思いをしようという思惑が透けまくりなんだよな。

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このページは、不破雷蔵が2020年4月17日 07:22に書いた記事です。

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