就業者数が88か月ぶりの減少という話

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総務省が先ほど発表した4月の完全失業率は前の月に比べ0・1ポイント悪化し、2・6%だった。2カ月連続の悪化となる。就業者数は6628万人で、前の年の同じ月に比べ80万人減った。減少は88カ月ぶり

就業者数が減少したということで、やはり新型コロナウイルスの流行による経済活動の停滞は大きいよね、という感じ。先日本家で掲載したリクルートのデータを基にしたアルバイトの時給も思いっきり影響を受けていたし、記事にはしていなかったけど応募のあった求人数も前年同月比でいきなり半分ぐらいに減っていたので、求人がごっそりと減っていることに違いはない。そりゃそうだ、店舗が休業していたり、時短をしている以上、人手が必要となるかどうかを考えれば。

詳細は総務省統計局の労働力調査(基本集計)の2020年4月分で確認ができます。就業形態別の就業者人数の前年同月比は次の通り(万人)


自営業者...-32
正規社員...+63
非正規社員...-97
 うちパート...-46
 うちアルバイト...-32

他方休業者(仕事がありながら該当期間に仕事をせず、賃金の支払いを受けている、自営業者なら仕事を休み始めてから30日未満)の前年同月比は次の通り(万人)

自営業者...+48
正規社員...+113
非正規社員...+240
 うちパート...+109
 うちアルバイト...+80

新型コロナウイルス流行に伴う企業の自粛休業や時短により、主に非正規社員が解雇されたり待機状態にあることが分かります。元々非正規は雇用情勢の流動性の高い立ち位置の就業形態であるとはいえ、何らかの対応が求められる数字には違いありません。


という感じで解説をした。要は労働市場の急激な変化に伴い、調整弁の役割を非正規が果たした形となっている。正規も休業状態(解雇ではなく例えば自宅待機とか)の人は相当にいるけど、非正規の方がはるかに多い。何よりこのような状況下で、正規社員は前年同月比で逆に63万人も増えているんだよね。

今回の流行に合わせて、企業側が体質再構築をしているのか、業務縮小をするのにあわせて正社員のみでの精鋭化を図っているのか。いずれにせよ、新型コロナウイルスのワクチンなり治療薬の開発が成されるまでは、企業側も不安が大きくて積極的な求人は難しくなるだろうな。

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このページは、不破雷蔵が2020年5月30日 07:32に書いた記事です。

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