どんなキャリアであるかに限らず、ちゃんとした内容の原稿を「何千字」ものレベルで書いて欲しいなら、それに見合ったギャランティが必要です。コピペで書くのでない限り、最低でも1日・2日はかかってしまう。内容を充実させるならもっと。
— Munechika Nishida (@mnishi41) June 18, 2020
ギャラの低い原稿を増やすことは、ライターを疲弊させるだけでなく、ネットにジャンクで役に立たない情報を増やすことになり、害悪です。
— Munechika Nishida (@mnishi41) June 18, 2020
これはIT系の物書きに対してだけに限った話ではなく、さらには物書きという領域に限った話でも無く。しっかりした成果を望みたいのなら、最低限の条件として相応の対価、ギャランティを提供するのは当たり前だということ。もちろん相応のギャラを提供しても期待した成果が得られる保証はないけれど、少なくともその条件を用意しないと成果は出てこないよ、と。収穫物が欲しければ、まずは土壌を用意し種を植え水を巻き、定期的なメンテナンスをする。それでも臨んだ収穫物が得られるとは限らないけど、勝手に種をまいただけで放置したり、ましてや種そのものがいい加減な品質のものならば、どれほどのものが手に入るだろうか。
結局のところ、相応の対価を提供するということは、仕事を受ける側のモチベを高めるだけでなく、仕事への継続性・注力性を底上げし、品質向上が期待できる形になる。しかも相応の対価が継続的に約束されるのなら、その業界全体への注力も高まり、人材がどんどん増える形になる。ギャラが安いと「こんなのやってられるか」と仕事を離れて別の仕事につくようになるから、人材そのものが枯渇する構図となる次第。企業単位でも起きうる話だけどね。
この類の話はそれはどの業界においても、もうずっと前から言われていることではある。けれどギャラを上げるとコスト至上主義が働いて、ギャラが上がった書き手への仕事が減らされるのが往々にして生じる。もっと安く上げる書き手に回せばよい、との判断が下される。報道界隈がタダで資料や意見を求めるのも同じ構図。
ジャンプの鬼滅のようなクラスならともかく、多少質が悪くても安い書き手で穴埋めできれば、売上なりアクセスには大きな変化は生じない。中期的に生じたとしても、その書き手差し替えに責があるとの分析はまず無理。だから数字としてはっきりコストを減らせる方を選ぶことになる。
当然質のコントロールなど頭にないので、必然的に全体としての質は落ちる。そりゃコストだけが考慮の基準なら、質はどうだってよいことになる。埋め草ばかりになるわけだ。結果としてコスト安だが売れない、読まれない媒体ができあがるようになる。
さらにこれが進むと、個人への依頼よりは編プロに丸投げするのを選ぶようになる。まとめ買いでさらに買い叩けるし、原稿が落ちるリスクも減らせる。テキスト系のはどこも構造はさほど変わらない。
まぁ、要は、記事タイトルにもある通り、正当な質の仕事を求めるのなら、正当な対価を支払うのがまずは先だということ。安上がりで作れれば担当者の成果にはなるのだろうけど、それは間違いなくその担当者、さらには媒体、そして業界全体の首を絞めるのと同義だよ、と。買い叩きとか万引きが横行するとお店がつぶれるってのと同じだな。米国の某所で暴動にやられたお店がその地域から撤収宣言をするとか、ね。
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