家庭用チーズが急速に売れているという話

| コメント(0)
新型コロナは、今期の国内チーズ市場にも大きな影響を与えている。緊急事態宣言を受けた外出自粛要請により業務用(外食、ホテル、土産物等)が壊滅的な打撃を受ける一方、家庭用市場は間口・奥行とも急拡大。3月以降の巣ごもり消費が寄与し、3か月連続で2ケタ増となり、同期間の主要メーカー家庭用販売実績も概ね二ケタ増という異常事態となっている。

新型コロナウイルスの流行に伴う社会の動きで生じた巣ごもり現象によって、さまざまな分野の消費が大きな変化を示している。消費形態が変わったのだから当然の話なまでなのだけど、その一つとして家庭用チーズの消費がめがっさ増えたとの話。要は内食の食材が急速に伸びて、その一つとしてチーズにスポットライトが当たったまでの話なのだけどね。先日はホットケーキミックスが注目を集めたけど、この類の食材は結構ある。

家計調査で二人以上世帯・品目分類におけるチーズの消費額を前年同月比で確認しますと


2020年1月...+2%
 2月...+4%
 3月...+14%
 4月...+29%
 5月...+30%

と、巣ごもり期間に大きく増加しています。気軽に取れる滋養に満ちた食品として好かれたのでしょう。

また同じ乳製品としてヨーグルトやバターを確認しますと(ヨーグルト/バター)

2020年1月...-2%/-1%
 2月...+10%/+15%
 3月...+9%/+30%
 4月...+16%/+67%
 5月...+9%/+45%

と、チーズ同様に、特にバターは大きく伸びています。バターは内食で粉ものによる料理、中でも菓子系を作る際に重宝され、需要が大きく伸びたものと思われます。

今後日々の行動が以前通りになれば内食の需要も元に戻るのでしょうが、お手軽さの観点でチーズへの傾注は継続するかもしれません。


家計調査で月ベースのデータが存在する二人以上世帯の動向を見ても、確かに明らかな増加が見受けられる。多くの世帯が買い増しをしているのだろうな、と。特に子供の消費が大きいのだろうけど、それを確認するのはちょっと骨が折れるし類推以上のものでしかない。

新型コロナウイルスの流行による社会行動の制限がいつまで続くのか、そして影響を受けた社会はいかなる変化を示すのか。色々と数量的な観点で見ていくことはとても大切だと思うのだけど......あまり評価されないのだよね、この類の話って。

関連記事             

コメントする

            
Powered by Movable Type 4.27-ja
Garbagenews.com

この記事について

このページは、不破雷蔵が2020年7月13日 07:03に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「こんにゃく売り場に並んでいたプリンとは」です。

次の記事は「「このコーナーで売っているのは時間です」」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

* * * * * * * * * * * * * *


2021年6月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30