SNSがなかった時代、貸画廊で個展をやるアーティストは自分で展覧会案内状を100枚以上印刷し、切手を貼って見に来て欲しい人にハガキを送り、会場の芳名帳に記名してくれた客には次回の個展案内を漏れなく送る事ぐらいは当たり前にやっていた。お客はこうやって増やしていくものじゃないかなあ。 https://t.co/QT65TTENtC
— 井上リサ (@JPN_LISA) August 3, 2020
SNS時代になっても、なぜこれが大事かと言うと、自分のイベントを「誰に」見に来てもらいたいのかはっきり伝わるからだ。不特定多数の拡散希望ではなく、「あなた」にぜひ見に来て欲しいというアプローチの方に客の気持ちは動く。
— 井上リサ (@JPN_LISA) August 3, 2020
たしかにSNSで個展やライヴなどのイベント情報を拡散するのは手軽でコストもかからないが、中には《常連客は俺が黙っていても自分でライヴ情報を小まめにチェックして見に来てくれる》と思い上がった態度の者もいるのではないかと感じる事が時々ある。
— 井上リサ (@JPN_LISA) August 3, 2020
つまり、自分の《観客》はどこにいるのか知る事だよ。
— 井上リサ (@JPN_LISA) August 3, 2020
フォロワー数を一定以上集めたら単行本を出してやるという編集者の話を先日したけれど、結局それは不特定多数に向けた情報発信をする手段を持っていない人には単行本を作る資格はないということになる。そりゃもちろん、作家のフォロワーは多かれ少なかれその作家の作品のファンだろうというのは想像できるのだけど、pixivなどのような作品アップロードの場ではない以上、ファンであるとは限らないのもまた事実。ファンであったとしても、そのファン度合いは高くない人が多分だろう。
スナックやクラブ、あとは例えば車のディーラーでは当たり前の話だけど、潜在的な客層には葉書などで直接アプローチをかける。不特定多数に向けた手立てではなく、直接あなたへという方法でお知らせすることで、特別感を演出してハートをわしづかみにする。皆にばらまいたチロルチョコではなく、個人の名前を書いて贈ったチョコには、特別なパワーがつぎ込まれているという感じ。
SNSは確かに便利でコストも低く抑えられる情報発信のツールには違いないけど、そればかりに頼っていると何か大切なものを忘れてしまうのではないかな、と。
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