なんだろうなー、「本当に頭のいい人は
— "金門"英國紳士G WF2020冬6-28ー04 (@jentleman_g) August 22, 2020
人に教えるのが上手い人」なんてのを
今更見たけど「自分が手を動かす・物事を
進める技術」と「人にわかりやすく教える技術」
は似ているようでまったく別のスキルですぞ?
「いちから説明しなきゃダメな人は大抵においていちから説明してもダメ」という話もあるけど。先日「本当に頭が良い人は難しいことでも不特定多数の人に向けて簡単に理解できるように説明できる」というドヤ話があり、「難しいことを簡単に説明できない人は、本当は頭はよくないよね」という流れにまで話を進めていた。違うそうじゃない。
物事を理解して判断して考えて新しいものを生み出していく技術と、他人に教えていく技術は別物。それを双方とも持ち合わせている人なら「頭はよいし他人にも優しく説明できる」けど、そういう人は滅多にいない。その辺りをごちゃごちゃに考えている人が、頭が良いのなら教えとくのも簡単にできるはずだ」とか考えてしまっているんだろうな。
「頭がいい人は難しいことを簡単に説明できる」というが、簡単な説明はどこか胡散臭い。説明するために、膨大な情報を省略し意図的に取捨選択して編集されているので、説明側の意図が入り込む隙が多くなるからだと思う。
— 白土晴一 (@manetoke) August 21, 2020
「本当に頭がいい人は難しいことをやさしく説明できる」という言説をあまり支持したくない理由の一つとして、これを唱える人が「正確で十分な説明をする専門家の言葉は理解できず」「不正確で大雑把な説明をする素人を頭が良い人だと思い込んでいる」だけである可能性を否定できないから。
— dynee/ダイニー (@dynee_morinaga) August 21, 2020
難しい事柄を優しく説明していくと、だいたい説明の分量が長くなっていくんですよ。参考書が厚いのはそのせいですね。しかし、雑で誤った説明は簡潔で飲み込みやすく、だからこそ広まりやすい。そしていずれその誤った理解が「正解」として力を持ち始める。それを問題としているのです。
— dynee/ダイニー (@dynee_morinaga) August 21, 2020
簡単な説明と言うのは色々と省かれねばならない。その省き方に主旨とは別の意図が紛れ込むと、あっという間に誘導するネタとなってしまう。「分かりやすいが正しいとは限らない」の話にあるように、むしろ分かりやすいネタはそこに誘導が入り込んでいないか注意深く疑う必要がある。
また「正しいわけではなくても分かりやすいものなら、それが『自分が理解できたのだから正しいものに違いない』と判断してしまう」というトラップに陥ることになる。プロパガンダの類が往々にしてシンプルなフレーズで分かりやすいものになっているのは、実はこういうところ。人は理解したものを正しいと誤認しがちなんだけど、それを悪用している。
「頭の良い人」は持ってるスキルの一つとして「難しいことを簡単に説明できる」ことが非常に多いというのは確かだけれども、「難しいことを簡単に説明できる」人が必ずしも「頭の良い人」である保証はない、という単純なお話。
— まんだむ (@manndamm) August 21, 2020
結局はそういうことなんだろうな、と。そして今回「頭が良い人なら難しいことを簡単に説明できるはず」と騒いでいる人は、その辺りの構造すら理解できていないのだろう。
コメントする