コロナウィルスが広がりはじめると、まず生存本能から買い溜めに走り、十分溜め込むと、「生活を楽しまなきゃ」って、家でケーキとか作りだすんだけど、やっぱりすぐ飽きちゃって、「えーい!酒だ!酒だ!酒持ってこーい!」になっているのが現在ってことですか。人間って奴はもうw pic.twitter.com/Vp7B5oi6IL
— 柳澤安慶(二丁目ではヤナティ) (@ankeiy) August 24, 2020
コロナ禍で4~7月にかけてめちゃくちゃスピリッツ類が売れるようになったデータから「家飲み需要が増えたのでは」って報道されてたそうなんですが、真面目にデータ見てるとビールも日本酒もあまり変化ないのにスピリッツだけ超伸びてるので、個人的には「手や家具の消毒用に買ってる説」を推したい。
— 西内啓 Hiromu Nishiuchi (@philomyu) August 26, 2020
新形コロナウイルス流行後の消費動向の大きな変化は、統計上の数字にもあからさまな形で出ているので、色々な方面から統計をチェックして確認をしておくべきだよなと思ったりする。今件もその類の話で、どこぞの雑誌の切り抜き(業界紙かビジネス誌かな)によるPOSデータからの分析なのだそうだけど、「4月以降は手作りや家飲み需要がけん引した」という解説で少々ずっこける。
スピリッツやリキュール、中国酒が売れたのは、人々が一斉にドランカーとなったからではなく、手洗いなどの消毒用として高アルコール度のお酒をいちどきに調達したからに他ならない。というか色々なメーカーが動いて建前上はお酒だけど手洗い用や調理器具、家具などの洗浄用アルコール代わりに使ってね的な商品が展開されるような状況だったというのを、もうお忘れなのだろうか。
ちなみに家計調査では金額ベースでこんな感じ。4月以降は大体の酒類で伸びているけど、特にウイスキーやチューハイなどが大きな伸び。手洗い用アルコールの代替品として買われたスピリッツは「他の酒」かな。 pic.twitter.com/U5hsF1x37X
— 不破雷蔵@ガベージニュース (@Fuwarin) August 26, 2020
さらに「お酒が値上がりしたからでは」ということで購入量で確認したところ、明確に伸びているのは清酒、ウイスキー、発泡酒など、チューハイ・カクテル。どうもドランカー云々ではなく、手洗い用アルコール代替品としての購入で、回答者が区分に悩んで回答したのが分散した可能性が高い。 pic.twitter.com/nZO2WUk5Gh
— 不破雷蔵@ガベージニュース (@Fuwarin) August 26, 2020
で、当方はPOSデータが取得できるはずもないので、例の家計調査から色々と。月次ベースでデータを取れるのは二人以上世帯のみなんだけど、それでも確かに4月以降で一部の酒類に大きな動きがある。もっとも家計調査の場合、POSデータではないので回答者の判断次第で区分わけが正しく行われていない可能性も否定できないので、ぶれが生じていることは否めない。それでも除菌用として買ったお酒をビールとかワインと勘違いすることはないだろうからと、それらの値はおとなしいものとなっている。こういう形で社会現象がちゃんと他の方面の統計値で現れるというのは面白い話に違いない。
ちなみにホットケーキや乾麺の類がランキングから落ちたのは、5月辺りから学校が再開されたというのも大きいだろう。ただ観測の限りでは、麺類関係の需給はまだ不安定なことに変わりはない。今後も注視が必要だ。
コメントする