大阪大学岸本充生さんの「マンホールの蓋問題」、おもしろい。蓋がずれていたマンホールに落ちた人を助けるとヒーローになるが、蓋がずれているのに気づいてそっと直した人はなにも感謝されない。リスクの未然防止をどう可視化し、評価するか。
— 佐倉統 (@sakura_osamu) September 10, 2020
守備がうますぎると目に見えるファインプレーが少ないという、新庄効果として知られている現象ですね。
— kohske (@kohske) September 10, 2020
物事、特に何らかのトラブルが生じてからそれに適切な対応をすると高く評価され多くの益を得ることもできるけど、そのトラブルそのものが発生しないように事前に対応をしたり何らかの献身をしても何の評価もされず、下手をすると骨折り損で終わってしまう。世の中の仕組みとしてはどうしようもないことなのだけど、否定もできない事実ではある。
だからこそ今件挙げられている事例なら、マンホールの蓋を直したり、守備が本当に上手い人を見い出す仕組みを用意し、行為に正当な評価を与える、ましてや蔑むようなことはしないというのが最適解ではあるのだけどね。事故は起きないようにするのがベスト、起きてから対応するのは次善。もちろん、事故が起きないようにすること自身が不可能な事柄もあるけれど。
ただ、残念ながらマンホールのずれを直したり普段から守備が上手いような行為は、往々にして蔑まれたり叱責されるのが現実だったりする。インフラ関連の理不尽な事案は、多分にその構造によるものだったりする。
縁の下の力持ちは得てして評価されない https://t.co/n7XCvtW7u9 本当の名医とは、という話と通じるところが>>RTs
— 不破雷蔵@ガベージニュース (@Fuwarin) September 12, 2020
以前解説した、本当によいお医者さんなら病症が明確に発生する前に予防策なり対応策を講じてしまうので、病気を治したというプロセスを確認し難く、結果として病気を治したことがない医者と見なされてしまうという話と似ている。
世の中理不尽なことは多いけどね。構造的にどうしようもないことも多々ある。それを認識しておき、何らかの仕組みを作り、すくい上げていくことをしないと、無くなってから初めて気が付く大切さという過ちを繰り返してしまうんだよな、と。
コメントする