『ランチパックにはカビが生えない!添加物は怖い!』とのツイートが話題。しかし、密閉容器内にはカビが入れないので、カビが生えないのは当たり前。『微生物は自然に発生しない』(自然発生説の否定)は、19世紀に結論済の事項。エセ科学は大昔に否定済な事が多く、教養を身につけることは大事ですね☺ https://t.co/ffZqtPx2jq pic.twitter.com/6MjnIVtVnP
— やさしい皮膚科医 (@S96405539) September 26, 2020
先日ちょいと話題に上ったお話。子供の自由研究でランチパックになかなかカビが映えなかった。これは添加物のせいだ、添加物コワイ、それを使うランチパックもコワイ的なものがあり、それを賛美する大人たちという話に四方八方からフルツッコミが入ったというもの。ヤマザキのパンに関しては定期的にネタとして上がるのだけど、何で製造努力で成し遂げたものを難癖つけられてウソネタで叩かれなきゃならんのよという理不尽感。この子供の保護者とか先生は何をしていたんだろう。
せめて「封を開けた状態のランチパックとの比較はしてみた?」という、科学検証の上では必要不可欠な比較を薦めなかったのだろうか。
パスツールによる「白鳥の首フラスコ実験」を覚えている方も多いでしょう。これら過去の偉人による実験の積み重ねにより、生物の自然発生説は否定されたわけです。科学の歴史を学ばないままに『僕が気がついた最高の真実!』を主張しても、見当外れのものになってしまいます。https://t.co/zrB6NVXhqJ
— やさしい皮膚科医 (@S96405539) September 26, 2020
ランチパックにカビが生えにくいのは事実。そこからどのような実情を探り当てるかは当人の資質の問題で、もちろん間違った結論に行き着くこともある。それを正すのが大人の役割のはずなのだけどね...先日のお菓子のパッケージが無駄だという高校生の話を思い出してしまった。
過去の研究の歴史を学ぶのは大事。例えばスキンケア分野では、いい加減な美容知識を大げさに伝えて儲けようとする方が多いですが、基礎学力無しに独自の良い手法を見つけるのは無理。最低限の基礎知識を身につけていない方が、変な情報発信をするのはやめていただきたいですねhttps://t.co/Y5JEM1gqyR
— やさしい皮膚科医 (@S96405539) September 26, 2020
SNS時代では、明らかにおかしなエセ科学でも一気に拡散されます。デマを見抜くには、皆さんが基礎的な教養を身に付けることが大事です。『理科の勉強なんて意味があるの?』と思う方もいるでしょうが、ご自身の健康を守る為に、是非とも少しでも多くの教養を信頼できるソースを通じて学んでください☺
— やさしい皮膚科医 (@S96405539) September 26, 2020
困ったことにこの類のフェイクなウソ話はさくりと広がるリスクがけた違いに増えている。発言力、公知力のある人が人気を集めるため、金儲けのために、思っただけだからという軽い気持ちで、うその情報を流していく。自分がうそを流すという悪いことをしているとの意識などさらさらないのだろう。だって思ったことを言っただけだもん、的な。
そういうスットコドッコイは逐次叩いていくしかないのだけど、叩いたところで益があるわけではないし、大体がくたびれもうけの骨折り損となるばかりで、バランスの取れない構造になっているのは事実。公的機関による警察力のようなものを持った組織で手がけないとダメな気がする。下手をすると言論弾圧になるので難しいところではあるのだけど。
となれば、現状では一人一人が自己防衛に走るしかない。いわゆる自己防衛おじさんしぐさ。そのためにも基礎的な教養ってのが欠かせないのだな。勉強は結局のところ、自分自身を守る武具になるのだよ、と。
コメントする