余裕とか冗長性とか「あそび」を忌避する傾向はよくない

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例えばスケジュール管理をしている人ならすぐに理解はできると思うのだけど、予備とか遊びとか冗長性とかいう、余分な物的な概念はとても大切。思惑通りに物事が進めば何の問題もないし余ってしまうのだけど、何かあった時に穴埋めしたり代替させたりすることができる・できないの間には大きな差が開いてしまう。軍事的には機動予備軍の存在だとか、災害時のための保存食の備蓄なども同じ考え。

その類のものって往々にして、何も起きなかった時にはあまりもの扱いされてしまうから、はたから見てれば無駄なものになってしまう。非常食だって実際にそれを使うような災害に遭遇しなければ、賞味期限が切れかけた・切れた食品にしかならない。けれどそれを無駄扱いするのはおかしいのでは、ということ。

要するに保険の概念なんだよね。何もなければ、それを適用する機会が無ければ、ああよかったね、使う事態が生じなかったねということで、むしろ喜ぶべきものである。予備の概念とかは、何かあった時に対応する余地があるという安心を用意したという考えをすればよい。それを無駄扱いするのでは、言葉通り綱渡りを強要するようなもの。しかも安全策無しで。

企業の内部留保とか余剰金とかも同じ概念。あれを批判する人の多分は「使っていない金なのだから俺様に寄越せ」というのが本音ではあるけど、貯蓄の概念を知らんのかねとか、ならば貴殿の貯金は全部今すぐ使うべきでは、という返しをしたくもなる。

量が多い云々というのなら、まずはその役割を多分に担ってきた金融機関の貸し出しに関する信頼性を回復させよということに落ち着く。要はいざという時に頼りにすべき存在の金融機関が、頼りにならないことが貸しはがしで分かってしまったので、自分たちで余分な備えをしなきゃならないというまでのお話なんだよね。

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このページは、不破雷蔵が2020年11月27日 07:56に書いた記事です。

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