政府の執拗なまでの「携帯電話の料金を下げろ」の圧力の件

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社会の公共性とか情報伝達のライフラインという観点では、新聞よりもインターネット利用料金、携帯電話の利用料金に軽減税率を適用すべきなんじゃないかという話は何度となくデータ込みで解説しているし、総務省などの調査結果でも繰り返し日本の携帯電話料金は高くない、他国と比べても中庸だ、高い云々というのは品質や制度まで考慮していないのも一因だという説明をしている。

にもかかわらず、厳密にはもう少し前からそれなりには声は上がっていたけど、ここ数年急に携帯電話の料金を下げろという声、政府サイドからの圧力が強くなっている。しかもますますその強さを増している。携帯電話の単価としての利用料金そのものはむしろ軽減しているはずなんだけど、何でますます声高になっているのか、ちょっと理解が難しかった。

ただ、これって自分の記事を見返していてそれっぽいことが書いてあったので分かったのだけど、単価としての料金云々ではなく、「携帯電話の料金負担がつらい」という市民サイドの陳情が増えているのではないかという感はある。実料金は軽減しているし、各種データも開示されているのに何でだろうということで、理由を色々と探し廻ってみたら、可能性としてありうるのは引用した文言にもある通り、高齢者による陳情。

複数の統計からここ数年で高齢者にも携帯電話、特にスマホが急激に普及浸透しているとのデータは出ている。そして固定電話、従来型携帯電話と比べるとスマホの方がどうしても利用料金は高くなる。さらに高齢者は海外と比べて云々という情報を知る機会も少ないだろうし、収入そのものは低いので、固定費的なものとなる携帯電話料金の負担は大きなものとなる。さらにさらに契約時に受け付けの人の口車にのせられて、変なものを一緒に契約させられ金銭的な負担がさらに高くなっている可能性はある。

無論他にも、例えば子供持ちの世帯において子供がスマホを持つようになった、取得年齢が下がってきたとすれば、世帯ベースでの電話料金の額はより大きくなるというのもあるけど(ただし平均世帯人数はむしろ減っているので、その影響は小さいのではないかな。陳情云々ということもあまりしないだろう)。

そう考えると、政府の携帯電話料金への執拗な動きというのも理解できる。数字を下げれば陳情者へのウケがいいからね。

奇妙な動きには何か必ず原因がある。その辺のことまで考えると、色々と物事が分かってくる気がする。例の新聞の軽減税率も、結局のところは某明党が公約にしていたからというのが一番大きいわけだし。

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このページは、不破雷蔵が2020年11月29日 08:02に書いた記事です。

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