人気本は人気そのものが商品価値となる

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似たような話は何度かしたことがある記憶があるのだけど。流行物はその面白さや有益性、著名人の利用というタグ付けみたいなものはもちろんだけど、それと同時に他人が知っている、使っていることそのものが価値となるというもの。自分の周りの人の一定数が利用し始めると、価値がグンと跳ね上がって自分も欲しいという思いがけた違いに強まる。逆に自分が持っていないと仲間外れにされるような気分にすらなる。スタンピード現象とでもいうのだろうか。

要は他人と同じものを持っている、知っているという情報の共有をすることで、それが意思疎通のためのツールとなり、話のきっかけになりうるというもの。昔は今と比べると嗜好品も少なく情報伝達アイテムも限定されていたので、共有化、画一化が容易だった。皆がする娯楽といえばテレビを観たりラジオを聴くといった感じで、翌日の学校では前日のテレビ番組の内容とか、発売されたばかりの雑誌に掲載されていた連載物のネタで和気あいあいという感じ。

恐らくは今件、「鬼滅の刃」について何となく指しているような感じではあるけど、あの作品の流行り方を見ていると、確かに情報の共有化・意思疎通のためのツールとして手に取っている人、同じ価値観を共有したいという思いで読んでいる・観ている人が多分にいると思う。それこそが本当の意味での「流行り」なのだろう。

ただ最後にある「ヒットはオープンで透明で不平等」とあるけど、これは昔から変わらず。単に情報の伝達と拡散と蓄積、複写が容易になったという、情報の性質の変化が起きただけの話。バズるとか昔は想定できなかった情報の広がり方だし、ねえ。

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このページは、不破雷蔵が2020年12月 9日 07:56に書いた記事です。

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