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鬼滅最終巻物語

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「鬼滅の刃」最終巻単行本が発売されたということで、先日は各メディアで朝から本屋に並ぶ人達の様子が映し出されたり、新聞広告を目当てに各コンビニやら果ては新聞販売店まで足を運ぶ人が出てくるなど、新型コロナウイルスのリスクはどうなっているのかという感じすら想起するような状況だった。まぁ、少なからずは転売目的のバイヤーが混じっているであろうことを考えると、頭の痛いところではあるのだけど。いや、ほら、例えば新聞広告全種類セットとか自前で作って出品したら売れそうやん?

で、そういう行列の類を見ると、当方は歴史映像や関連資料で確認したことがあるのだけど、例の『ドラゴンクエストIII』の発売時に生じたという、量販店前での長蛇の列を想起した人は少なくないだろうし、折角買ったのに自宅に戻る途中で恐喝されてしまうとか言う事例もあるのではないかな、というお話。まあ、ゲームソフトほど高額ではないので、そこまで大きな事件として取り上げられることはないだろうけど、無い話じゃないかな、という感はある。


先日出版関連のデータをあさっていた時に確認したお話。紀伊国屋書店が公開している2019年の年間ベストセラーのデータで、コミック部門のランキングを見て驚いたこと。上位20位のうち14冊までが「鬼滅の刃」。上位は「ワンピース」が独占し、あと「進撃の巨人」がちらほら入っているけど、ずらずらと「鬼滅の刃」が並んでいるところは壮観に違いなく。まあ、実のところ総販売冊数とか、他書店のも合わせた総印刷部数となるとまた違いが出てくるのだろうけど。

「鬼滅の刃」そのものは去年連載開始というわけではなく、2016年に始まった作品なので、単行本の古いナンバーのものは2019年発売のものではない。にもかかわらず、1巻とか2巻とかまでもがずらりと上位入りしているところを見ると、やはりこの1、2年で人気がドカンと出たのだなということを実感させられる。

ちなみに【2018年の年間ベストセラー】では20位どころか100位以内にも1冊も「鬼滅の刃」の姿は無し。やはり2019年に入ってから盛り上がりを見せたんだろうな、と。

ラノベ・なろう系タイトルの実情

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先日某ラノベだかなろう系の小説のスタイリッシュなタイトルが、編集側の思惑を押し切る形で今なろう系では定番となっている「概要を長い一行で全部説明してしまうタイトル」に差し替えられた話。数年は目に留まるだろうけど、十年後にはどうなっているのかなという感はある。「銀河英雄伝説」も作り手の方が、今作品を書き連ねていたらどんなタイトルになっていただろうという話もあったりする。

ネットとスマホの普及で情報が満ち溢れ、同時に一度に可視化できる情報量が限定されるので、ぱっと見された時点で概要が分かるようにならなきゃいけない、しかもその時に注目されるような奇抜なものでなければという状況なのは理解できる。ただ、現状がこのまま続くとは限らない...というかまずそんなことは無いだろうし、状況が変わった時に題名を変えるというのもおかしな話に違いない。個人的には主題はそのままスタイリッシュな、シンプルなものにしておき、帯とかにつけるキャッチコピー(副題ですらない)にその辺りの長い説明風のものをつければいいと思うのだけど。

加え。長いタイトルって確かにそれを視認して読んで内容を把握するのにはプラスとなるかもしれないけど、冊子化されたりした時に、かえって分かりにくくなる。検索の上でもノイズが混じりやすくなって正しいものを選んでもらいにくくなる。

...とか思っていたらこんな指摘が。要はタイトルが長い説明調のものにすると、作品一覧でタイトルがずらりと並んだ時、長ければ長いほど表示面積が大きくなるので、目立ちやすくクリックされやすいという指摘。この発想は無かった。

本屋にとって救世主な「鬼滅の刃」

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当方の実本屋巡りでも似たような雰囲気はひしひしと感じられるし、似たような言及はそこかしこで聞かれるので、単にネタ話とか煽りの類ではないのだろう。取次のデータを見ても、いかにも「鬼滅の刃」効果という形で数字が突出している状況が確認できる。

ある程度がっちりとした数字は年末、あるいは来年に入ってから出てくるとは思うのだけど、相当なボリュームになっていることは間違いない。先日から公開開始の映画版も色々とすごい感じで、映画界隈もお助けしちゃう雰囲気ではある。

2020年9月期の店頭売上前年比調査(対象店舗:日販取引書店におけるPOS調査店)の結果がまとまりましたので、下記の通りご報告申し上げます。9月の店頭売上前年比は全体で102.1%となり、2008年の集計開始以来初の5か月連続での前年超えとなりました。コミックは依然として好調で、12か月連続で前年を超えています。

新型コロナウイルスの流行で大きく変化を遂げている社会様式。紙媒体周りも多大な影響を受けているようで、これまでには無かった動きをしている。

外出先で何気なく暇つぶし的に購入する機会が多々ある雑誌の類は売上を減退中。元々雑誌は売上を落としていたけど、それに加速がついた感じ。他方書籍やコミックは巣ごもりの影響があるのか逆に売上を伸ばしている。特にコミックについては「鬼滅」特需の香りも。


アマゾンで注文した「異世界放浪メシ」の最新刊が先日届いたので読み進めていたら、中に入っていたのがこの「世界は終わっても生きるって楽しい」の試し読みペーパー。確か前巻ではスイの大冒険ということで比較的本誌と関係のあるものが入っていたはずだけど、その辺はもう関係がなく、単純にプッシュしたいものを挟むようになったのかな、と思いながら。

ネットではリーチができないような層向けに、ウェブ展開のお試し版のようなものを紙媒体化してまくというのは悪くない話。費用対効果を考えるとどうなんだろうというのはあるけど、同じ出版社の本ってことで買うかもしれないということを考えれば、少なくとも単に本屋で配布してもらうよりは効用はありそうだ。

新型コロナで電子出版が伸びた件

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出版科学研究所のまとめによりますと、ことし1月から6月にかけての紙の出版物と電子出版の売り上げの合計は、推計で、前の年の同じ時期より202億円、率にして2.6%多い7945億円となりました。

このうち電子出版は前の年の同じ時期を28.4%上回る大幅な伸びとなっていて、研究所は、新型コロナウイルスの影響で多くの書店が休業した一方、自宅で過ごす時間が増えたことで、電子コミックなどの需要が高まったとみています。


新型コロナウイルスの流行による巣ごもり現象は、人の消費性向に大きな変化を与えている。これほどまでに明確な数字の動きが生じたのは極めて珍しい状況で、色々と面白い話が出ているのだけど、今回の出版市場の動きもその一つに違いない。

要は紙媒体の落ち込みは相変わらずだけど、電子書籍や電子コミックは巣ごもりに伴う出版物の需要拡大で大きく伸びたというもの。ただ、電子コミックに関しては「鬼滅の刃」効果も多分に底上げ要因になっているのだろう。他方、紙媒体はこんなものかなという気もするけど、一部はアマゾンなどでの流通上の在庫問題も影響していたのかもしれない。買いたくても買えない状況だったからねえ。

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